労働政策研究報告書 No.141
学卒未就職者に対する支援の課題

平成24年 3月28日

概要

研究の目的と方法

厚生労働省からの要請に基づき2010年に緊急実施した「未就職卒業者に関する緊急調査」の分析編であり、基本的な集計中心の『高校・大学における未就職卒業者支援に関する調査』(調査シリーズNo.81、2010)と対を成すものである。

本報告書は、この調査結果を当機構が経年的に取り組んでいるプロジェクト研究「キャリア形成弱者の実態と支援に関する調査研究」の中に位置づけ、改めて、未就職卒業者増加の社会的背景や課題を深く検討したものである。また、課題への対応の方向性を探るために新たにインタビュー調査を行った。

主な事実発見

高校・大学ともに、就職部・キャリアセンターなどの組織的関与が弱くなっている。

高校においては高校と企業との継続的で強い関係が弱まり、高校の就職指導の影響力が低下しているが、特に労働市場の状況が悪い地域に立地していたり、就職者が少ない普通高校で顕著にあらわれている。

また大学においては(図表参照)、就職プロセスのインターネット化により、就職部・キャリアセンターの直接的な関与が限定的になっている。インターネット化は公平性が高いが、知名度の高い企業に集中しがちであり、信頼性の薄い情報に振り回されやすい傾向が見られた。

図表 2~3年前(リーマンショック前)と比べた就職活動の変化(「とてもそう思う)+「ややそう思う」)単位:%

図表 /労働政策研究報告書No.141

+p<0.1, *p<0.05, **<0.01, ***<0.001水準で有意 、国立の欄の表示は国立と私立(~56)の差の検定。

弱まる就職マッチング機能について拡充する一方で、同時にカリキュラムマッチング機能も強めていくことが、今日若者が直面している移行の困難をやわらげることにつながっていくものと思われる。そこで高校におけるカリキュラムレベルでの取り組みの課題についてのインタビュー調査を実施した(調査の詳細については報告書参照)。

インタビュー調査によれば、 (1)地域でともに育てる意識づくりと育成すべき人材像に向けたプログラム設計、 (2)たえまない産業界のニーズ把握と教育内容への反映、 (3)産業ニーズの変化への生徒の対応力の育成、についての取り組みが重要であった。

政策的含意

弱まるマッチングの仕組みを労働行政が補完するとともに、カリキュラムレベルでの支援にも携わることが求められる。

政策への貢献

若者雇用戦略会議、雇用政策研究会にて活用。

本文

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研究期間

平成23年度

執筆担当者

堀 有喜衣
労働政策研究・研修機構副主任研究員
堀田聰子
労働政策研究・研修機構研究員
小杉礼子
労働政策研究・研修機構統括研究員
寺地 幹人
労働政策研究・研修機構臨時研究協力員

入手方法等

入手方法

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お問合せ先

内容について
研究調整部 研究調整課 03(5991)5104
ご購入について
成果普及課 03(5903)6263

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